「岡崎市立図書館事件」は、どこまで一般化できるのか

図書館の件。色々と物議を醸し出している様子だけど、技術者として考えておかなければならない点は結構多いと思う。

500 Internal Server Error をリロードすることを罪に問えるか否か

過負荷時に 500 を返すようなサイトがあるとする。クジラでも可。
このとき、正常ページが見えるまで繰り返し F5 リロードするという行為を「一般ユーザが実施する正当な行為」とみなすか「システムに更なる過負荷をかける不当な行為」とみなすかで、意味が変わってくるのだろう。
岡崎市の件で過負荷を掛けていたのが1人だったから警察も動いたが、過負荷が1万人から掛けられていたら逮捕者も出なかっただろう。
また、本件は「クローラ」という、一般人にしてみれば「何それ?」的な、よくわかんないハッカー的な何かを使っていたことも、悪い方向へと働いていたのだと思う。今回は偶然、他のユーザが使用していなかった方法でアクセスしていたことが、逮捕に繋がったのだと思っている。

サーバ側の不具合を、クライアントがどこまで予期できるのか

過負荷時に 500 を返すようなサイトがあるとする。クジラでも可。
その時、自分は「アクセスすべきか」それとも「アクセスすべきではないか」をクライアントが自分の意志で判断することはできないと考えている。クジラが見えた際に F5 リロードする人は少なくないだろう。リロードした人が全て「サーバに危害を加えようと」アクセスしていることはないだろうし、「サーバ側に致命的な問題があるため今自分がアクセスするとまずい」と思っている人もさほどは多くないだろう。「エラーはたまたまだろう。もう1度アクセスすればエラーは無くなる」と考える人は少なくない。たとえエラーが頻発しても、エラーが無くなるまで F5 する人というのは少なくない。サーバの中の人のような、詳しい原因を調査できる人でなければ、エラー時の対処を正しく決定することはできない。
岡崎市の件では、サーバ側に技術的な問題があったのだろうが、それは全く無視しても構わないのだろう。なにせクライアント側にとっては、技術的な問題があるかないかは判別できないのだから。

岡崎市立図書館事件」は、どこまで一般化できるのか

まとめると、結局のところ、

  1. 事象を判断できるサーバの中の人が高いイニシアティブを持っている
  2. クライアントは問題を解析できない
  3. クライアントの行動の是非と、サーバ側の問題の有無は関係がない
  4. 他にやってるひとが居ないような方法を使っていると、白い目を向けられる可能性が高い
  5. クジラはあまり関係がない

のではと思う。
まあ、最も良い落しどころは「サーバ側からクライアント側への警告」→「警告に従わない場合は被害届」というプロセスだったのではと思った。